VirtualBoxのWindow 8.1(ゲストOS)をWindows 10にアップグレード
はじめに
Mac(ホストOS)上のVirtualBox(5.0.0 r101573)に、Windows 8.1(ゲストOS)がインストールされている状態から、Windows 10にアップグレードして、その後Windows 10をクリーンインストールするところまで説明します。
Windows 8.1(ゲストOS)がインストール済みの状態から、Windows 10へのアップグレードには、20GB以上の空容量が必要です。あらかじめ確認しておいてください。
作業前には、失敗に備えて、必ずVirtualBoxのスナップショットファイルをバックアップしておいて下さい。
この記事は、VirtualBoxのホストOSが他のOSでも同様であり、ゲストOSがWindows 7でも同様であると思います。また、互換性の問題でWindows 10にアップグレードできない場合にも(Windows.iso
をマウントしてアップグレードする方法が)参考になると思われますが、自己責任でお願いいたします。
この記事の手順は2015年8月上旬に行ったものです。いずれ、記事とは違いが出てくるかもしれません。
Windows 10を入手するアプリ
からアップグレード→失敗
Windows 8.1(ゲストOS)のタスクトレイに白いWindowsの旗のアイコンWindows 10を入手するアプリ
があるはずです。
Windows 10を入手するアプリ
をクリックして実行すると、Windows 8.1(ゲストOS)では次のように表示され、互換性の問題によりWindows 10にアップグレードできませんでした。失敗です。
メディア作成ツール
からアップグレード→失敗
Windows 8.1(ゲストOS)からブラウザで、
にアクセスします。
ちなみに、Macから上記サイトにアクセスすると、
にリダイレクトされます(ここからWindows 10のISOファイルをダウンロードできるようですが、私はダウンロードに失敗しました)。
Windows 10ページのツールを今すぐダウンロード(64 ビット バージョン)
をクリックして、メディア作成ツール
(MediaCreationToolx64.exe
)をダウンロードします(32ビット版もあります)。
メディア作成ツール
(MediaCreationToolx64.exe
)を実行すると、Windows 10 セットアップ
が始まります。
Windows 10 セットアップ
の実行する操作を選んでください
で、この PC を今すぐアップグレードする
を選択し、次へ
をクリックします。
しばらくすると、何の処理も行われず、メッセージも表示されずWindows 10 セットアップ
が終了します。
互換性の問題がある場合は、何も処理されず終了するようです。失敗です。
追記(2015年8月29日):この方法でWindows 10へのアップグレードに成功している方もおられるようです。VirtualBoxの設定によっては成功するのかもしれません。
メディア作成ツール
からインストールメディアWindows.iso
を入手
Windows 8.1(ゲストOS)で、メディア作成ツール
(MediaCreationToolx64.exe
)を実行し、Windows 10 セットアップ
を始めます。
実行する操作を選んでください
で、他の PC 用にインストール メディアを作る
を選択し、次へ
をクリックします。
言語、アーキテクチャ、エディションの選択
を適当に選択し、次へ
をクリックします。
使用するメディアを選んでください
で、ISOファイル
を選択し、次へ
をクリックします。
インストールメディアWindows.iso
ファイルがダウンロードされます。サイズは3.38GBです。
Windows.iso
をMac(ホストOS)に置く
VirtualBoxの共有フォルダー機能を次のようにして有効にしておきます。
- (Windows 8.1(ゲスト0S)を起動した状態で)VirtualBox VMのメニューの
[Devices]
>[Insert Guest Additions CD image...(Host+D)]
を選択してから、エクスプローラーでCDドライブ(D:)VirtualBox Guest Additions
フォルダのVBoxWindowsAdditions
アプリケーションを実行しインストールします。そして、Oracle VM VirtualBoxマネージャー
の設定
の共有フォルダー
タブからMac(ホストOS)の新規共有フォルダーを適当に追加します。
Windows 8.1(ゲストOS)で、ダウンロードしたWindows.iso
ファイルをコピーして、エクスプローラーのVM(¥¥vboxsrv)(E:)
フォルダへ貼り付けます。これで、Mac(ホストOS)にWindows.iso
ファイルが置かれます。
Windows.iso
でVirtualBoxにWindows 10(ゲストOS)をインストール→成功するがWindows 8.1(ゲストOS)のプロダクトキーは引き継がれないのでやってはいけない!
注意:Windows 8.1(ゲストOS)をWindows 10にアップグレードする場合は、この作業は行わないようお願いいたします!
Windows 8.1(ゲストOS)をシャットダウンしておきます。
Oracle VM VirtualBoxマネージャー
のストレージ
欄で右クリックして[ディスクイメージを選択...]
で、Mac(ホストOS)に置いたWindows.iso
を選択します。
Oracle VM VirtualBoxマネージャー
の設定
のシステム
タブのマザーボード(M)
タブで起動順序(B):
の一番上に光学
を設定しておきます。
Windows 8.1(ゲストOS)を起動し、起動プロセスの最初のPress any key to boot from CD or DVD..._
表示中に何かキーを押せば、Windows.iso
ファイルを使って起動し、Windows 10のインストールが始まります。
省略しますが、適当に進めてWindows 10のインストールは成功します。しかし、Windows 8.1のプロダクトキーは引き継がれません!(Windows 8.1のプロダクトキーはWindows 10では無効です)Windows 8.1をWindows 10にアップグレードする場合はこの手順はやってはいけません!。もしやってしまった場合は、バックアップしてあるはずの元のスナップショットファイルに戻して下さい。
Windows 8.1(ゲストOS)でWindows.iso
をマウントしWindows 10にアップグレード→成功
Oracle VM VirtualBoxマネージャー
の設定
の一般
タブの基本(B)
タブで、バージョン(V)
をWindows 10(64-bit)
に設定します(この設定は不要かも知れません)。
Windows 8.1(ゲストOS)を起動し、Windows.iso
ファイルを右クリックしてマウント
します。
ここで、Windows 8.1標準のマウント
では失敗します(Windows 7は標準ではマウント
できません)。そこで、何かマウントツールをインストールします。私は無料のVirtual CloneDriveを使いました。これをインストールして、Windows 8.1(ゲスト0S)でWindows.iso
ファイルを右クリックしてマウントすると、次のように物理BD-ROMドライブとして利用できるようになります。
ここにあるsetup
アプリケーションを起動します。
Windows 10セットアップ
が始まります。
詳細は省略しますが、特に問題なくWindows 8.1(ゲストOS)をWindows 10にアップグレードできます。途中、Windows 8.1のプロダクトキーを入力する必要はありません。成功です。
Windows 10(ゲストOS)をクリーンインストールしない場合はこれで作業完了です。
Windows 10(ゲストOS)のプロダクトキー
を入手
注意:Windows 10(ゲストOS)をクリーンインストールする場合に必要な作業です。
Windows 10(ゲストOS)を起動し、ブラウザで、
- RJL Software - Software - Utility - Windows Product Key Viewer - Download http://www.rjlsoftware.com/software/utility/winproductkey/download.shtml
にアクセスして、Compressed .ZIP File
またはSelf-Extracting EXE file
をクリックしダウンロードします。
ダウンロードしたものを実行すると、アップグレードしたWindows 10(ゲストOS)のプロダクトキー
が表示されるのでメモします。このプロダクトキーは、Windows 8.1(ゲストOS)のプロダクトキーとは別の文字列になっています。
また、プロダクトID
はプロダクトキー
とは異なるもので、プロダクトキー
としては使えません。
Windows.iso
でWindows 10(ゲストOS)をクリーンインストール→成功
Windows 10(ゲストOS)のクリーンインストールは、次のどちらかの方法でやったと思いますが忘れてしまいました。どちらの方法でも問題ないはずです。いずれにしても、Windows 10(ゲストOS)のプロダクトキー
が絶対に必要です。
- アップグレードしたWindows 10(ゲストOS)で、
Windows.iso
をマウントして、setup
アプリケーションを実行し、適当に進めて、Windows 10(ゲストOS)をインストール - [
Windows.iso
でVirtualBoxにWindows 10(ゲストOS)をインストール→成功するがWindows 8.1(ゲストOS)のプロダクトキーは引き継がれないのでやってはいけない!]の項目の手順でWindows 10(ゲストOS)をインストール
途中、先ほどメモしたWindows 10(ゲストOS)のプロダクトキー
の入力が求められます。
これでWindows 10(ゲストOS)のクリーンインストールが成功です。
Windows.old
フォルダの削除
Windows 10(ゲストOS)のクリーンインストール時に、フォーマットをしなかった場合は、以前のファイルが、CドライブのWindows.old
フォルダに置かれています。
このWindows.old
フォルダが不要な場合は、Windows 10(ゲストOS)で、以下の手順で削除してください。
- タスクバー左端のスタートアイコンをクリック
- スタートメニューから
[すべてのアプリ]
>[Windows管理ツール]
>[ディスク クリーンアップ]
を選択し起動 [ディスク クリーンアップ]
ウィンドウで、[システム ファイルのクリーンアップ]
ボタンをクリック[ディスク クリーンアップ]
タブの[以前の Windows のインストール]
にチェックを付けて[OK]
ボタンをクリック[ファイルの削除]
クリック
参考情報
参考にした情報は多いのであえて書きません。記事に出てくる用語で検索していただければ多数の詳細情報が得られると思います。
理系ジンの今後
以前の予定は中止
以前は、はてなのテーマを作って、GitHub Pagesで使えるようにしようとか、HTML5アプリを開発しようとか色々考えていたのですが止めることにしました。それで、以前予定していた、HTMLやHTML5アプリなどの記事も中止します。
期待されていた方には申し訳ありません。機会があれば改めて記事にしたいと思います。
新たな予定
個人的な興味から、今後の理系ジンは、いわゆる計算物理を扱うことにします。様々な物理の理論を勉強したりコンピュータで計算していこうと思います。特に、いわゆる量子化学に近い内容が多くなる予定です。
最近しばらくは、この辺を色々調べているのですが、もうしばらく調べたほうが良さそうな状況です。いずれ少しずつ記事を書いていきます!